この記事のポイント
- 「試練を与える石」という言い伝えは、古い記録には見当たらない
- ツタンカーメンの呪いは、当時の新聞が広めた物語
- 現実的な注意点は、整髪料や香水がかかりやすい「耳元」という場所
- 金属アレルギーは、石ではなく金具の話
ラピスラズリのピアスをもらった。 あるいは、買おうかどうか迷っている。
そんなときに「ラピスラズリのピアスはダメ」という言葉を見かけて、気になってしまった方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、ピアスだからダメ、ということはないと考えられています。
「ダメ」と言われる理由は、スピリチュアルな噂と、石の扱いやすさの2つに分かれます。 噂には出典が見当たらず、現実的な注意点は「耳元という場所」にあるのです。
髪をセットしてから着けるなど、コツは3つだけです。 安心して読み進めてくださいね。
【結論】「ダメ」と言われる理由は、噂と、扱いやすさの2種類に分かれます
結論として、ラピスラズリのピアスがダメな石ということはありません。
理由は、次の2種類に分けて考えると整理しやすくなります。
| 種類 | 内容 | 受け止め方 |
|---|---|---|
| ① スピリチュアルな噂 | 「試練を与える石」「ツタンカーメンの呪い」 | 出典が見当たらない、または報道が作った物語 |
| ② 現実的な扱いやすさ | 石の柔らかさ、耳元の環境、金具 | 置き場所と整髪料に気をつければ長持ちする |
置き場所と整髪料に気をつければ、ピアスとして楽しめると言われています。 まずは噂のほうから、順番に見ていきますね。
ちなみに、ラピスラズリの宝石言葉そのものは、宝石言葉であなたを守るで紹介しています。
噂① 「試練を与える石」という言い伝えは、出典が見当たりません
「試練を与える石」という表現は、歴史をたどっても出典が見当たりません。 むしろ昔から、護符や幸運の石として大切にされてきたと言われています。
- 古代エジプトでは、天空と冥界の神オシリスの石とされていました
- ツタンカーメン王の黄金のマスクにも使われています
- 魔除けの力があると考えられ、護符として身につけられてきました
- メソポタミアでも、貴重な石として扱われました
このように、歴史的な扱いは一貫して「護符・幸運」の側にあります。 「試練」という位置づけは、古い記録をたどっても見つかりませんでした。
この表現は、近年パワーストーンの文脈で広まったものと考えられています。 ただ、断定はできません。 「嘘」と決めつけるのではなく、「古い記録には見当たらない」と受け止めるのがちょうどいいかもしれませんね。
噂② 「ツタンカーメンの呪い」は、当時の新聞が作った物語です
ツタンカーメンの呪いは、当時の報道が広めた物語だとされています。
ラピスラズリという石に向けられた話ではありません。
① カーナヴォン卿が亡くなった本当の理由
1922年にツタンカーメンの墓が発見されました。 翌1923年4月に、発掘のスポンサーだったカーナヴォン卿が亡くなります。 このことから「呪いでは」という噂が広まりました。
ただ、死因は蚊に刺された傷からの細菌感染(敗血症)とされています。 もともと肺に持病もあったそうです。
② 呪いの話が広まったのは、新聞社どうしの競争が背景
発掘団はタイムズ紙と独占契約を結んでいました。 それに対抗した他の新聞が、関係者の死を「王家の呪い」として報じたことが背景にあると言われています。
埋葬室が開かれた場に立ち会った26人のうち、10年以内に亡くなったのは6人でした。 数字だけを見ても、呪いを裏づけるものとは言いにくいですね。
いずれにしても、この話はツタンカーメンの墓をめぐるものです。 ラピスラズリという石そのものに向けられた話ではありません。
現実的な理由 耳元は、石にとって少しきびしい場所です
「ダメ」と言われる現実的な理由は、耳元が石にとって少しきびしい環境だからです。
これが、この言い伝えのいちばん現実的な裏付けと言えます。
① ラピスラズリは、意外と繊細な石です
GIAによると、モース硬度は5〜6で、組成によって変わります。 ジュエリーの中では柔らかい部類です。
ラピスラズリは単一の鉱物ではありません。 青金石(ラズライト)を主成分に、方解石や黄鉄鉱などが混ざった岩石です。和名は瑠璃といいます。 金色に光って見える部分は、黄鉄鉱です。
さらに、色とツヤを良くするために、ワックスやオイルを含浸させることがあります。 このワックスの封止は、熱や溶剤にさらされると劣化するそうです。
染色されたものは、除光液に含まれるアセトンや、変性アルコールでこすると色が落ちることがあります。
② 耳元は、髪のすぐ近くです
耳は髪のすぐそばにあります。 そのため、次のようなものがかかりやすいのです。
- ヘアスプレーや整髪料
- 香水
- シャンプーやトリートメント
これらに含まれる溶剤やアルコールが、ワックスの封止や染料に影響することがあります。
同じラピスラズリでも、指輪やネックレスよりピアスのほうが気をつけたいのは、このためです。
③ 金属アレルギーは、石ではなく金具の話です
かゆみや赤みが出た場合、原因はピアスの金具(ニッケルなど)であることが多いとされています。
ラピスラズリという石のせいではありません。
石を変えても、金具が同じなら同じことが起こります。 気になる場合は、金具の素材で選びましょう。
注意したいこと
肌に赤みやかゆみなどの症状が出たときは、着けるのをやめて、皮膚科に相談してください。
仕上げが気になる方は、天然石ジュエリーのビズー(Bizoux)ものぞいてみてください。
ラピスラズリについては「アフガニスタン産、天然無処理のルースをご用意しています」と書かれているので、 ワックスや染色が気になる方には選びやすいはずです。
ラピスラズリのピアスを長く楽しむ、3つのコツ
難しいことはありません。 次の3つを心がけるだけで、長く楽しめると言われています。
① 髪をセットしてから着ける
ヘアスプレー、整髪料、香水を使い終えてから、最後に着けましょう。
溶剤やアルコールが石にかかりにくくなります。
② 入浴と洗髪の前に外す
湯船につけたまま入るのは避けてください。 外したあとは、乾いた柔らかい布で汗をそっと拭きます。
他のジュエリーと擦れないよう、分けて保管すると安心です。 長時間の直射日光も避けましょう。
③ 汚れたときは、ぬるい石けん水でやさしく
GIAによると、洗うならぬるい石けん水が安全です。
まず目立たない場所で試してから行ってください。
注意したいこと
超音波洗浄機とスチームクリーナーは使わないでください。
除光液やアルコールでの拭き取りも避けてください。
贈り物でもらったけれど、少し怖いと感じたときは
怖いと感じるなら、無理に着けなくて大丈夫です。 Q&Aサイトには、友人からピアスをもらったものの、厄年でもあり「試練が来るのでは」と不安になった、という相談があります。
そんなときは、こう考えてみてください。
- 出典が見当たらない噂なので、必要以上に心配しなくていい
- 気が進まないなら、着けない選択もある
- 飾って眺めて楽しむ、という使い方もある
大切なのは、自分の心地よさです。 贈ってくれた方の気持ちはありがたく受け取りつつ、自分が安心できる形を選びましょう。
他にも「怖い」と言われる石については、アレキサンドライトやタンザナイトの記事で、誤解をほどいています。 石言葉全般の受け止め方は、「悪い意味のある石」は本当に存在するのかも参考になります。
ラピスラズリのピアスに関するよくある質問
- Qお風呂やプールに着けたまま入ってもいい?
- A
外してください。ラピスラズリは、ワックスやオイルで仕上げたものもあります。長く湯につけると、その仕上げに影響することがあります。プールの塩素やお湯の温度変化も負担になります。
- Q寝るときは外したほうがいい?
- A
外すことをおすすめします。モース硬度は5〜6と、ジュエリーの中では柔らかい部類です。枕や髪と擦れて表面に傷がつくことがありますし、金具が曲がることもあります。
- Q金属アレルギーがあります。ラピスラズリのピアスは大丈夫?
- A
アレルギーの原因は、金具の金属(ニッケルなど)で、ラピスラズリという石ではありません。石を変えても、金具が同じなら同じことが起こります。金具の素材で選んでください。心配なときは皮膚科に相談しましょう。
- Q「試練の石だから怖い」と言われました。本当ですか?
- A
歴史をたどると、その言い伝えの出典は見当たりません。古代エジプトやメソポタミアでは、護符や幸運の石として扱われてきたと言われています。それでも怖いと感じるなら、無理に着けなくて大丈夫です。
- Qツタンカーメンの呪いと関係がありますか?
- A
関係ありません。呪いの話は、発掘を報じる新聞社どうしの競争のなかで広まった物語とされています。カーナヴォン卿の死因は蚊に刺された傷からの感染症とされ、立ち会った26人のうち10年以内に亡くなったのは6人でした。
- Qネックレスやブレスレットなら大丈夫?
- A
耳元より整髪料やシャンプーがかかりにくい分、環境は穏やかです。ただし石の柔らかさは変わらないので、扱い方の注意は同じです。ブレスレットは、手を洗うときに濡れやすい点に気をつけてください。
- Q少し白っぽくなってきました。もう戻りませんか?
- A
表面の汚れなら、ぬるい石けん水でやさしく拭くと落ち着くことがあります。無理にこすったり、除光液やアルコールを使ったりしないでください。染色されたものは色が落ちることがあります。判断に迷うときは、購入したお店か宝飾店に相談すると安心です。白くなる仕組みと症状ごとの対処は、ラピスラズリが白くなるのはなぜ?でくわしくまとめています。
まとめ:ダメな石ではなく、置き場所に気をつけたい石です
「ラピスラズリのピアスはダメ」という噂を、あらためて整理します。
- 「試練を与える石」という言い伝えは、出典が見当たらない
- ツタンカーメンの呪いは、当時の報道が広めた物語で、石とは関係がない
- 現実的な注意点は、整髪料や香水がかかりやすい耳元という場所にある
- 金属アレルギーは、石ではなく金具の話
- コツは「髪のセットのあとに着ける」「入浴・洗髪前に外す」「洗うならぬるい石けん水」の3つ
ダメな石ではなく、ちょっとだけ置き場所に気をつけたい石です。 自分の心地よさを大切にしながら、青く深い輝きを楽しんでくださいね。


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