この記事のポイント
- 日本ではラピスラズリは12月の誕生石(9月には入っていない)
- 1958年の制定当初から12月。2021年に加わったのはタンザナイトとジルコン
- 9月と書かれるのは、英国など海外の一覧に由来する
- 昔は「サファイア」という言葉がラピスラズリを指していた
ラピスラズリの誕生石は9月と12月のどっちなのか、迷ってしまったことはありませんか?
結論からお伝えすると、日本ではラピスラズリは12月の誕生石です。
9月と書かれているのを見かけるのは、海外の一覧に由来していると考えられます。
しかも、その背景には「サファイア」という言葉の古い歴史が関わっています。
贈り物や自分用の石を選ぶときに困らないよう、日本の答えと、混乱が起きる理由をやさしく整理しますね。
【結論】日本では、ラピスラズリは12月の誕生石です
日本の一覧では、ラピスラズリは12月に入っています。
9月と書かれるのは、海外の一覧があるからです。
日本の一覧では、12月に入っています
全国宝石卸商協同組合が公開している誕生石の検索サイトで、各月のページを確認しました。
12月に挙げられているのは、次の4つです。
| 月 | 日本の一覧でのラピスラズリ |
|---|---|
| 12月 | 入っています(ほかにタンザナイト・ターコイズ・ジルコン) |
| 9月 | 入っていません |
9月のページにラピスラズリは見当たりませんでした。
日本で贈る・買うなら、12月の石として考えれば間違いありません。
9月と書かれるのは、海外の一覧があるからです
英国など海外の一覧には、9月の石としてラピスラズリが挙げられているものがあります。
日本語の記事で「9月」と書かれているのは、こうした海外の一覧が元になっていると考えられます。
つまり、どちらかが間違いというより、見ている一覧が違うのですね。
混乱の根っこは、「サファイア」という言葉の歴史にあります
9月と12月で迷いやすい背景には、「サファイア」という言葉の歴史があります。
サファイアは9月の代表的な誕生石ですが、昔はラピスラズリのことをそう呼んでいたのです。
昔、「サファイア」はラピスラズリを指していました
古代ローマの大プリニウスは、sapphirus(サファイアの語源にあたる言葉)を「不透明で、金色の斑点がちりばめられている」と書いています。
古代ギリシャのテオフラストスも、「金色の斑点がある sapphirus」と記しています。
これは、青い石に金色の粒が散るラピスラズリの見た目とよく重なります。
金色の粒の正体は黄鉄鉱(パイライト)です。
くわしくはラピスラズリが白くなるのはなぜ?で紹介しています。
つまり、9月の石であるサファイアとラピスラズリは、もともと同じ名前で呼ばれていたのですね。
ただし、これが理由で9月の誕生石になったと言い切れるわけではありません。
「名前の上でこんな重なりがあった」という歴史のお話として受け取ってください。
旧約聖書の「サファイア」も、ラピスラズリだったと考えられています
旧約聖書に出てくる「サファイア」も、多くはラピスラズリを指していたと考えられています。
いま私たちが知る、コランダムという鉱物のサファイアは、ローマ帝国より前には知られていなかったためです。
これはあくまで研究者の見方のひとつで、断定できるものではありません。
それでも、9月の枠にラピスラズリが並んでも不思議ではないと感じられるお話ですよね。
2021年に追加された、というのは誤解です
ラピスラズリは、日本の誕生石が決まった1958年から、ずっと12月の石です。
「2021年に追加された」と思われがちなので、ここで整理しておきますね。
1958年の制定当初から、12月の石でした
日本の誕生石は1958年に制定されました。
その後、2021年12月20日に63年ぶりの改訂がありました。
ラピスラズリとターコイズは、制定当初からの12月の石です。
2021年の改訂で12月に加わったのは、タンザナイトとジルコン
2021年の改訂で12月に加わったのは、タンザナイトとジルコンです。
改訂の話題とごちゃ混ぜになって、ラピスラズリも新しく加わったと誤解されやすいのですね。
同じ改訂では、9月にも新しい石が加わっています。
気になる方はベニトアイトの石言葉は?も読んでみてくださいね。
同じ12月の石であるタンザナイトについては、タンザナイトが怖いと言われるのはなぜ?で紹介しています。
国によって違うのは、めずらしいことではありません
誕生石の一覧は、国や団体によって違います。
ラピスラズリが9月と12月に分かれて見えるのも、そのためです。
英国では、9月にサファイアと並びます
英国の2013年の一覧では、9月にサファイアとラピスラズリが挙げられています。
英国の業界団体は、サファイアを伝統的な9月の石とし、ラピスラズリを代わりの石として示しています。
日本語で「9月」と書かれている記事は、こうした一覧が元になっていると考えられます。
GIAが紹介する12月の一覧には入っていません
米国の宝石学の研究機関であるGIAが紹介している12月の誕生石は、ターコイズ・タンザナイト・ジルコンの3つです。
ここにラピスラズリは入っていません。
「アメリカでも12月の誕生石」と書かれているのを見かけることがありますが、確認した範囲では、その裏づけになる一覧は見当たりませんでした。
なお、ここで紹介したのは、確認できた日本・英国・GIAの一覧だけです。 国や団体の数だけ一覧があるので、すべてを網羅しているわけではありません。
注意したいこと
誕生石の一覧は、国・団体・お店によって内容が変わることがあります。
迷ったときは、全国宝石卸商協同組合の一覧など、公開元がはっきりしたものを確認してください。
結局、どちらで考えればいいのでしょうか
日本で贈る・買うなら、12月として扱えば間違いありません。
9月生まれでラピスラズリが好きな方も、気にしなくて大丈夫です。
海外の一覧には、9月の石としても挙げられているからです。
そもそも誕生石は、決まりごとではなく言い伝えのひとつです。
月にとらわれず、好きだと感じた石を選んでいいのですよ。

12月生まれの方への贈り物にするなら、水や汗に弱い石なので、お手入れの注意を一言添えると親切です。身につけるときのポイントはラピスラズリのピアスはダメ?でも紹介しています。
誕生石のジュエリーを探すなら、色石を扱うブランドを見てみるのもひとつの方法です。
ビズー(Bizoux)はラピスラズリを扱っており、アフガニスタン産の天然無処理のものと明記されています。
ラピスラズリの誕生石に関するよくある質問
- Q結局、日本ではどちらの月の誕生石ですか?
- A
12月です。全国宝石卸商協同組合が公開している誕生石の一覧では、12月にラピスラズリ・タンザナイト・ターコイズ・ジルコンの4つが挙げられています。9月のページにラピスラズリは入っていません。
- Q9月生まれです。ラピスラズリを持ってもいいですか?
- A
もちろん大丈夫です。英国の一覧では、9月の石としても挙げられています。そもそも誕生石は決まりごとではなく言い伝えなので、好きな石を選んで問題ありません。
- Q2021年の改訂で追加された石なのですか?
- A
いいえ。ラピスラズリは1958年の制定当初から12月の石です。2021年12月の改訂で12月に加わったのは、タンザナイトとジルコンでした。
- Qなぜ9月と12月という、離れた月に分かれているのですか?
- A
国ごとに一覧が違うためです。背景には、古代から中世にかけて「サファイア」という言葉がラピスラズリを指していたという歴史もあります。9月の石であるサファイアと、もともと呼び名が重なっていたのですね。
- Q5月の誕生石だと書かれているのを見ました。
- A
日本の一覧でも、確認できた海外の一覧でも、5月にラピスラズリは見当たりません。誕生石はお店や国ごとに扱いが違うことがあるので、迷ったときは全国宝石卸商協同組合の一覧を見てみると確かです。
- Q12月生まれへの贈り物に選んで大丈夫ですか?
- A
日本では12月の誕生石なので、贈り物として自然です。ただ水や汗に弱い石なので、お手入れの注意を一言添えると親切ですね。
- Q誕生石は、必ずその月のものを選ばないといけませんか?
- A
そんなことはありません。誕生石は言い伝えのひとつで、決まりごとではありません。見て心地よいと感じた石を選ぶのが、いちばん長く楽しめます。
まとめ:日本では12月。9月と書かれる理由にも、ちゃんと背景があります
- 日本の一覧では、ラピスラズリは12月の誕生石です
- 1958年の制定当初から12月の石で、2021年に加わったわけではありません
- 9月と書かれるのは、英国など海外の一覧があるためです
- 「サファイア」という言葉が、昔はラピスラズリを指していたという歴史もあります
- 誕生石は言い伝えなので、好きな石を選んで大丈夫です
日本で選ぶなら12月、というのが確かな答えです。
そのうえで、9月と書かれることにも、ちゃんと理由があるとわかると、少し安心できますよね。
誕生月にとらわれず、あなたが心惹かれる青を、手のひらに迎えてあげてくださいね。


コメント